コーヒーのカスタムウォーターについて

　こんにちはしばらく更新さぼってました。おいしいコーヒー飲んでますか？？

　僕は暇なときにJBrCの動画を見ながらコーヒー飲んでます。昨今のJBrCの動画を見ると抽出用水・カスタムウォーターがよく見られますよね。他の動画でもカスタムウォーターでコーヒーを抽出しています。決勝ではこちらの選手以外にも多くの選手がカスタムウォーターを使っていました。

www.youtube.com

↓この方たちもカスタムウォーター使用ですね。

【SCAJ2017】ジャパンブリュワーズカップ 2017決勝上山薫 - YouTube

【SCAJ2017】ジャパンブリュワーズカップ 2017決勝小野光 - YouTube

　カルシウムとマグネシウムが〇mgの～、とプレゼンしていますがもう少し詳しく知りたい方がきっといるはず。そんなカスタムウォーターについてちょっと詳しく書いてみたいと思います。

How to Choose the Best Water for Your Coffee

SCAAスタンダードがさだめる水の基準

まず前提としてSCAAの基準を見てみましょう

SCAapの「Water for Brewing Standards」ではこう定められています。

Characteristic	Target	Acceptable Range
Odor 1	Clean/Fresh, Odor free
Color 2	Clear color
Total Chlorine	O mg/L
TDS 3	150 mg/L	75 - 250 mg/L
Calcium Hardness	4 grains or 68 mg/L	1-5 grains or 17 mg/L - 85 mg/L
Total Alkalinity	40 mg/L	At or near 40 mg/L
pH	7.0	6.5 - 7.5
Sodium	10 mg/L	At or near 10 mg/L

http://scaa.org/?page=resources&d=water-standards

　上から臭い、塩素、TDS（総溶解固形物）、カルシウム、塩基、pH、ナトリウムですね。コーヒーを抽出する水の基本はこういった基準で考えられるみたいです。この水だと軟水のようですね。

（少し注意してほしいのはTDSです。TDSとは総溶解物質量であり水に含まれている物全ての総量の値です。水の硬度は永久硬度を指している場合があり、それはマグネシウムとカルシウムの量で決まります。ナトリウム量は硬度に含まれません。その場合、TDSは硬度より高い数字を示すことになります。）

　続いてBarista InstituteとCoffee Scienceの記事から引用して、各種説明していきたいとおもいまず。

マグネシウムとカルシウム

Magnesium makes a bit more powerful extraction than Calcium because a lot of flavorsome compounds are small and have a lot of oxygen in them. Magnesium likes these qualities.

http://www.coffeescience.org/how-to-choose-best-water-for-coffee/

Magnesium ions in water aid the extraction of sharp, fruitier flavours, calcium emphasises heavier, creamy notes – and that ‘buffer’ is antagonistic towards sharper, acidic notes.

Magnesium will have the greatest effect on extraction, calcium slightly less and sodium still less again. While the magnitude of the effect of each ion is different, the balance of effect is roughly the same.

Magnesium-rich water is better at extracting coffee compounds and the resultant flavour only depends on the correct balance between both the ions in the water and the quantity of bicarbonate present.

https://www.baristainstitute.com/inspiration/coffee-and-water-how-use-high-quality-water-brew-best-coffee

　マグネシウムとカルシウムは総硬度の中でも永久硬度とよばれ、煮沸では取り除けないためコーヒーの抽出を大きく影響を与えます。特にクロロゲン酸は変化してしまいます。

　マグネシウムは抽出力はカルシウムより強く、芳香成分を抽出するのに特化しているようです。そのためマグネシウムの比率が多いとフレーバーやアシディティに富んだ抽出がなされるようです。（僕が行った実験ではアシディティ対スィートネス比がスウィートネスに傾いたようにも感じました。しかしスウィートネスはボディとの関連も強い考えてますのでひとくくりに刃でいないとも感じました。）

　カルシウムはコーヒーのボディに良い影響を与えてくれるようです。（個人的にはその効果はマグネシウム含め硬度全体に当てはまるが、マグネシウム量だけでコントロールするには変数が多すぎるためカルシウムでコントロールしているのではないかと推測しています。）

　SCA基準ではカルシウム量が定められていますが、これはいったいどうしてなのでしょか？知っている方いましたら教えてください。（相対的にマグネシウム量もある程度範囲は絞られてはいるのですが）

カーボネート、アルカリ、バッファー

Carbonate which is also another important component has the ability to soak up acid hence it helps to keep the acid level steady-it locks it up when there is too much of it around and it releases it again when there is a shortage. Carbonate also has a role in the health of your equipment.

http://www.coffeescience.org/how-to-choose-best-water-for-coffee/

Carbonates, however, are the kings of coffee brewing water. If we forget about them, they will turn our great cup of coffee into a misery. Carbonates are in charge of acid buffer capacity. This means ability to keep pH stabile – which does not necessarily mean neutral. Coffee contains weak acids by its nature. The acidity of the coffee batch is changing depending on the carbonate hardness due to the buffering capacity of the carbonates.

https://www.baristainstitute.com/inspiration/coffee-and-water-how-use-high-quality-water-brew-best-coffee

　上のSCAの項目ではアルカリとなっているものです。また緩衝といった意味合いでバッファーと呼ぶ人も多くいますね。

　マグネシウムやカルシウムを溶かした水は酸性なります。このままの状態で抽出すると抽出液はサワーな印象が強く飲めたものではありません。そのためpHを調整する必要があります。そこで使われるのがカーボネートです。これによってアシディティのバランスを整える効果があります。