Donate Coffee Blog

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焙煎のRoR(温度上昇率)とベイクドについて

RoRについての知識が欠けているとともったので勉強がてら書きたいと思います。Perfect Daily Grindの「Coffee Roasting Essentials: A Guide to Rate of Rise (RoR)」という記事を紹介いたします。

まずRoRとは一定時間当たりの温度上昇のことですね。それを頭に入れて読んでください。

  • 低いRoRはベイクドの原因に

Jen tells me that you don’t want your RoR to drop too low because then you risk reaching the stalling point. A stalled roast happens when the RoR becomes so low that the machine doesn’t want to recover, and the temperature remains the same. This can lead to “baked coffee”, a defect that creates a flat, doughy flavour. In this situation, the coffee’s aromatic compounds won’t be developed.

However, that doesn’t mean a high RoR is best. Your goal should be to control your RoR with precision. And as you learn how to do this, you will find you are able to accentuate different flavours in your coffee. For example, a higher RoR – especially towards the beginning of the roast – can accentuate acidity. Willem Boot of Boot Coffee and Finca La Mula also states that a lower RoR can help modulate sweetness.

Jenは失速点に達するリスクがあるため、あまりにも低いRoRを求めるべきではないと言っています。RoRが低くマシンが回復せず温度が変わらない時、失速したローストが起きてしまいます。フラットになり、フレーバーが微かにしかない、「ベイクドコーヒー」というディフェクトにつながります。この状況ではコーヒーの芳香族化合物はディベロップされません

しかしそれは高いRoRがベストという意味ではありません。目標はRoRを正確にコントロールすることです。またこの方法を身に着けると、コーヒーの様々なフレーバーを引き立てることができます。例えば、高いRoR(特にローストの始まりに近づく)はアシディティを強調してくれます。Boot CoffeeでありFinca La MulaのWillem BootはRoRが低ければスウィートネスを調節するのを助けてくれるとも述べています。

https://www.perfectdailygrind.com/2017/08/coffee-roasting-essentials-guide-rate-rise-ror/

一度RoRの高い、低い、低下もしくは失速について確認したいと思います。もし焙煎機の釜の温度が比例のグラフのように伸びていいたとします。その際のRoRは常に一定の水平のグラフということになります。その水平線の高さがRoRが高いか低いかの違いになります。もしRoRの線が右に行くに従って下がっていった場合それはRoRは失速し低下しているということです。この違いをちゃんと理解した上で読み進めていきます。

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RoRは恒常的に下がっていくのは自然な動きです(一定火力であれば)。そのなかでRoRが低すぎる場合は、恒常的低下の影響を受けて温度上昇が0になってしまいます。このことは豆にカロリーを与えることができないため化学反応が起きません。その結果ベイクドコーヒーになってしまうと考えれます。RoRが0に近くなるというのは相当低い火力のようです。

  • ベイクドコーヒーとは

Despite what you may have heard about baked coffee being caused by long roast times, negative RORs, or some strange combination of factors, the main cause of baked coffee is a pronounced ROR crash, or more precisely, a drastic change in the slope of the ROR.  Relative to a well-executed roast, baked coffee seems hollower, flatter, and less sweet.  Of course, there are degrees of ROR crashes and degrees of baking.  A roast may be slightly baked or extremely baked, and the severity of the ROR crash will correlate with the degree of baked flavor.

ベイクドコーヒーは長い焙煎時間によって引き起こされると聞いたかもしれないが(私はそれを聞き何年も信じていたが、最終的にカッピングテーブルで見つけられなかった)、マイナスのRoRや奇妙なコンビネーションによる要因やベイクドの主な原因の顕著なRoRクラッシュ、より正確にはRoRの急激な変化が原因である。うまく行われた焙煎と比べ、ベイクドコーヒーはぼやけており、フラットであり、スウィートネスが欠けている。もちろんRoRの度合いやベイクドの度合いがあります。ローストにはわずかなベイクや極端なベイクなどがあり、RoRクラッシュの重度はベイクフレーバーの度合いと相関します。

https://www.scottrao.com/blog/2018/2/24/what-is-baked-coffee-most-pros-dont-know

 Qグレーダーコースではベイクドコーヒーを長時間焙煎したものと学びました。しかしScott Raoはこれは間違いだと主著しています。Scott RaoはRoRの急激な低下がベイクドコーヒーを作り出しているのではないかと考えています。

理由までは明確に記されてはいませんでしたが、個人的な考察を。これはディベロップメントと関係していると考えられます。RoRが急激に低下すると豆に十分なカロリーが与えられません。1ハぜ時に豆内部から大量の水蒸気が放出されるため、表示温度から導くRoRより低くなってしまいます。長時間焙煎では低いRoRがこの水蒸気に負けてしまい、ディベロップメントが足りない状態ができあがります。これがベイクドコーヒーなのではないのでしょうか?長時間焙煎が直接的な要因ではなく、水蒸気に負けてしまうような低いRoRが要因だと考えられます。(結局長時間焙煎でもできやすいって事ですが。)

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https://www.scottrao.com/blog/2018/2/24/what-is-baked-coffee-most-pros-dont-know

  •  RoRの3つのポイント

Your RoR will change as the roast continues to develop, and there are certain moments that are worth paying more attention to. This includes top/max RoR, crack RoR, and end RoR, stages that professionals such as Patrik Rolf and Morten Münchow have highlighted as critical.

The top/max RoR is the stage after the turning point (remember, this is when the temperature stops dropping and starts increasing, meaning the RoR goes from negative to positive) when the RoR is at its highest.

The crack RoR is the temperature change during first crack. Some roasters struggle to prevent their bean temperature (remember, this is different from RoR) from dipping here, as a result of steam being released from the beans. While you want to avoid this dip, you also don’t want to increase the temperature as that could be too heavy-handed.

As for the end RoR, that is of course at the end of the roast. You want to be careful at this point in time, because the beans will be drier and therefore more brittle.

RoRはディベロップし続けてるにつれ変化していく中で、注意を払わなければいけない瞬間があります。Patrik RolfやMortenMünchowなどのプロが重要視している段階はMax-RoR、Crack-RoR、End-RoRがあります。

Max-RoRRoRが最も高くなったターニングポイント(これは温度の下落が止まり上昇し始める時でRoRが負か正に向かったことを意味する)の後の段階です。

Crack-RoRは1ハゼ中の温度変化です。豆から蒸気が放出されるため、いくつかのロースターは豆温度(RoR由来ではない温度)の低下を防ぐことに苦労します。この低下を避けたいのですが、強すぎる可能性があるので温度も上げたくありません。

End-RoRはもちろんローストの終わりです。豆は乾燥しもろくなってゆくため、時間に注意してください。

https://www.perfectdailygrind.com/2017/08/coffee-roasting-essentials-guide-rate-rise-ror/

ターニングポイント(ボトム)のRoRが低かったため、その後の急な火力調整でRoRを上げようとしたとします。しかしターニングポイントのRoRを超えるようなことは望ましくありません。その時点でそこまでの低いRoRが無駄になり、またディベロップメントにムラができてしまうためです。そのためターニングポイントのRoRはMax-RoRであることが理想的です。そしてそのMax-RoRのほとんどは投入温度で決定するものだとも考えられます。(排気調節の影響もありますがおおよそが投入温度と考えこのように記しております。)投入温度って大事ですね。←(灰色箇所について)そんなこたぁない

1ハゼでは豆の内部の水蒸気が放出されます。この蒸気により豆温度が上昇しようとする力に負荷がかかり、Crack-RoRは低下しようとします。また温度計に表示されている数字と実際の豆の温度に乖離が生まれます。こういったことからもCrack-RORを調整しようと考えても温度計に頼った火力調整はできないのが難点です。また急にRoRが下がってしまうとディベロップメントが止まってしまい、ベイクドコーヒーの原因にもなってしまいます。僕の知っている方で、1ハぜが始まって30秒間だけ火力をものすごくあげる方がいます。成る程理にかなっているわけです。

  •  RoRの調整

With RoR, there are certain “rules” which are good to follow. Most notably, Scott Rao makes the case for a steadily decreasing one. While stalling will create baked flavours, an increasing RoR – especially after first crack – can lead to a coffee that lacks sweetness.

Yet within these parameters, there is plenty of room for roast manipulation. Jen tells me that there are particular moments during the roast that are suited to adjusting your RoR. For example, the drying and yellowing stages provide you with plenty of time for temperature changes.

In contrast, she explains, “The crucial time is the minute or two before first crack, and right after. At that time, the choices you make can have many more consequences and you need to be very attentive.”

RoRには従うべき特定のあるルールがあります。最も注目すべき点で、Scott Raoは着実に減少する状況をつくります。失速して急減速している間はベイクドフレーバーが生成されますが、逆にRoRが上昇していると(特に1ハゼ後上がりやすい)スウィートネスの欠けたコーヒーにつながる可能性があります。

しかしこれらのパラメーターの範囲内で、ロースト操作をする余地があります。Jenはロースト中にRoRを調節する特別な瞬間があることを教えてくれています。例えば、ドライとイエローの段階は温度変化に十分な時間を与えます。

また対象的に「重要な時間は1ハゼ前の1~2分とその後です。その時のあなたの選択はより多くの結果をもたらすので非常に丁寧に行う必要があります」と彼女は説明しています。

https://www.perfectdailygrind.com/2017/08/coffee-roasting-essentials-guide-rate-rise-ror/

 RoRの低下がベイクドコーヒーを生み出すとしてここまでたくさん書いてきましたが、RoRの上昇も問題があり、スウィートネスが欠けてしまいます。できるだけ緩やかにRoRは下降させていかねばなりません。緩やかな下降を実現するには上に書かれていとおり「ドライとイエローの段階」くらいしかないと思います。乾燥が終わっていない段階ではまだ豆に水分が残っています。その水分を介して豆内部までカロリーを効率よく伝えることができます。

逆に1ハぜ前の火力調整はコーヒーに大きな影響を与えるとも述べて居ます。そのため、慎重に扱わなければなりません。

  • 引用元

www.perfectdailygrind.com

www.scottrao.com


RoRについてここまで書いた文章は珍しいのではないでしょうか??ベイクとの関係がよく理解できましたしRoRから考える投入温度の大事さもわかりました。間違いありましたらコメントください。