Donate Coffee Blog

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メイラード反応で行う焙煎コントロール

 こんにちはら暑い日が続いております。

 Daily Coffee Newsにメイラード反応に関する「The Relationship Between Water Activity and the Maillard Reaction in Roasting」という良い記事がありましたので紹介いたします。

  • 焙煎度合とメイラード反応

The Maillard reaction is responsible for nothing short of the development of coffee’s essential sensory character.
メイラード反応はコーヒーの本質的特徴のディベロップメントになにも関与していません。

https://dailycoffeenews.com/2017/11/22/the-relationship-between-water-activity-and-the-maillard-reaction-in-roasting

 ここでいうディベロップメントとは焙煎度合という意味が大きいです。深煎りか浅煎りの違いはメイラード反応で決まるわけではないと言っています。

shorter Maillard duration during coffee roasting is related to an increase in the perception of sweetness and acidity.
コーヒーロースティング中のメイラード反応の持続時間が短いことは、甘さと酸味を増加させる関係しています。

https://dailycoffeenews.com/2017/11/22/the-relationship-between-water-activity-and-the-maillard-reaction-in-roasting

 浅煎りと深煎りの違いというのは、メイラード反応によって変わるものではありません。それではメイラード反応で一体なにが変わるのかというと、甘さと酸味の量などになるようです。

  • メイラード反応と味覚

shorter Maillard duration during coffee roasting is related to an increase in the perception of sweetness and acidity.
短いメイラード反応の有機酸と糖の暴露を減らすことは、カップにそれらを感じる可能性を増加させます。

https://dailycoffeenews.com/2017/11/22/the-relationship-between-water-activity-and-the-maillard-reaction-in-roasting

 メイラード反応は有機酸や糖分が分解されてゆく反応です。そのメイラード反応が短ければ、同じカラーの焙煎度合でも有機酸や糖分が残っていると考えられます。

  • メイラード反応の長さ

By way of example, here’s a classic case where Jen’s first roast, the green curve below, passes through the Maillard reaction stage more quickly, evidenced by the steeper rate of rise. Flavors included citrus and other bright fruit notes; the coffee was sugary with a thin body. The second roast, by comparison, was mellower: we noted a muted, subtle acidity and a buttery viscosity.

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例としてここにJenが初めに焙煎した、緑のカーブが示しているRoRが急上昇するために迅速にメイラード反応ステージを通過する古典的なクラシックケースがあります。フレーバーはシトラスや他の明るいフルーツノートが含まれています。コーヒーは薄いボディで甘いものでした。二つ目のローストは対照的に熟していました。繊細な酸味とバタリーな粘性を感じました。

https://dailycoffeenews.com/2017/11/22/the-relationship-between-water-activity-and-the-maillard-reaction-in-roasting

 実験結果では先ほどの仮設通り、メイラードが長いとその分酸味の量が減ったようです。また焙煎度合が進むにつれ果実の完熟度が上がるような、粘性を見せています。

 これは、予測ですが、酸味も明るめのものから暗めのものになり、甘さも増えているのではないでしょうか。

  • メイラード反応とPCDの関係

where Jen’s first roast (again in green) had the fastest Maillard reaction rate. Despite 9 seconds longer post-crack development (PCD), 1F higher drop temperature, and a 1 point darker ColorTrack score, it presented notes of lemon, apple, lime, and cherry. The second roast with 28 seconds longer Maillard reaction time (yellow), despite lighter color and shorter PCD, noted complex sugars with an absence of bright fruity notes and a mouth-coating, milky and smooth viscosity.

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ジェンの最初のロースト(緑色)はメイラード反応速度が最も速いです。ハゼ後のディベロップメント(PCD)が9秒長く、ボトム温度が1℃高く、カラートラックスコアが1ポイント暗くても、レモン、リンゴ、ライム、チェリーのフレーバーがありました。二つ目のロースト(黄色)はメラード反応時間が28秒長く、明るい色で、短いPCDにもかかわらず、明るいフルーツノートがなく、口当たりが良く、ミルキーな滑らかな粘性がありました。

https://dailycoffeenews.com/2017/11/22/the-relationship-between-water-activity-and-the-maillard-reaction-in-roasting

 メイラード反応が短くてPCDが長いものとメイラード反応が長くてPCDが短いものを比較しています。PCDとは1ハゼ後の焙煎時間の長さを表しています。単にディベロップメントタイム(DT)やローストディベロップメント(RD)など表記する人もいます。

 この実験で焙煎度合とメイラード反応の割合を垣間見ることができます。結果は焙煎度合よりもメイラード反応の方が全体の特徴を作っているのではないでしょうか?

 メイラード反応のコントロールに当たって、この記事では160度を超えた瞬間としています。それはショ糖のメイラード反応が最も活発になる温度だからのようです。しかしメイラード反応は100度を超えると発生しているようです。いわゆる水分抜きが終わった後に感じるパンのような臭いはメイラード反応由来の物のようです。

 実際に火力をいじる際は、豆の温度と温度計のプローブには開きあることを忘れずに、1ハゼの温度から逆算して計算してみてください。

  • 引用元

dailycoffeenews.com