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ナチュラルとハニーの焙煎。対流熱を使おう

はじめてまだ1月ぐらいですが、順調に読んでる方が増えてきてくれているようでありがたい限りです。

前回はRoRについて書かせていただきました。今回はまたまたPerfect daily grindの記事である「How to Roast Natural & Honey Processed Coffee」という記事です。この中でRoRで焙煎をコントロールするといった内容があるのですが、これがまた僕には難しいので勉強がてら書かせてもらいます。

RoRについてもう一度振り返りたい方は下記事を参照してください。

 こちらもどうぞ:焙煎のRoR(温度上昇率)とベイクドについて - Donate Coffee Blog

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  •   プロセスの違いによる焙煎の違い

Mark tells me that, when roasting naturals and honeys, he takes the roast slower to preserve that characteristic sweetness. As drying ends and yellowing begins, he explains, the sugars really start to caramelise the acids and proteins. By extending this moment, and also first crack, you can enhance the aromas, sweetness, and body.

“If caramelisation passes too quickly, a lot of that sweetness in the coffee is left out because you don’t the chance to caramelise those sugars,” he emphasises.

For washed coffees, however, Mark roasts faster. He gives me the example of a washed Ethiopian, saying that a shorter roast time would preserve its acidity.

マークは、ナチュラルやハニーをローストする時は特有の甘さを保つためにゆっくりとローストしている、と伝えてくれました。乾燥段階が終わってイエローイングが始まった時に糖はタンパク質のアミノ酸をキャラメライゼーションしていくと説明しています。この瞬間とファーストクラックの時間も延長することによって、アロマやスィートネスやボディをより高めることができます。

もしキャラメライゼーションが速すぎた場合、キャラメライズするチャンスがないためコーヒーの中の多くのスウィートネスは置き去りにされてしまうと、彼は強調しています。

しかしウォッシュトコーヒーについて、マークはローストを早くします。エチオピアのウォッシュトを例えに、より短い焙煎時間がアシディティを保つと教えてくれました。

https://www.perfectdailygrind.com/2017/10/roaster-champions-guide-roasting-natural-honey-coffees/

まず前提です。この記事では2017念U.S. Roaster ChampionのOnyx Coffee Labのマークさんと記者の対談といった内容です。マークさんがブラジルの焙煎方法について語っています。

マークさんはキャラメライゼーションは乾燥段階が終わってイエローになってきたところから始まるとしています。キャラメライゼーションの定義は人によって少し違っていたりするので注意が必要です。

多分ここで言われるキャラメライゼーションはメイラード反応のことだと思われます。キャラメライゼーションは糖分のみで反応します。文中ではアミノ酸と反応していることからメイラード反応についてさしているものだと考えられます。

キャラメライゼーション(メイラード反応)が早すぎると豆の内部まで熱が伝わりません。そうすると内部の化学反応が進まず生焼けの原因になってしまいます。特にナチュラルやハニー製法の豆はウォッシュトのコーヒーと比べると水分量が低いため内部までカロリーを与えにくい性質もあります。

スウィートネスを最大限に引き出すにはキャラメライゼーション(メイラード反応)する時間をしっかりと取らねばいけません。

 こちらもどうぞ:ナチュラルとハニーの焙煎。対流熱を使おう - Donate Coffee Blog

Rate of Rise (RoR), which measures how quickly the roast develops, is therefore key to natural and honey coffees.

To keep your RoR low, you should begin with a lower charge temperature. For example, for a low-elevation natural Brazilian coffee with a soft density, Mark will start off with charge temperature 30% lower than a high-altitude washed coffee. “The amount of energy you put into the roast profile at the beginning of your roast will dictate everything you do after,” he says.

From there, Mark explains that there are two aspects to controlling RoR: heat and air. As the coffee starts to caramelise, he will further drop the heat from 70% to 40–50% to help prolong this period. Next, he will add air to create convection. “Convection also causes the roast to slow down, and causes the coffee to roast from the outside too,” he tells me.

There are over 800 aromatic compounds in coffee, and too fast a caramelisation can obscure some of these. “Adding more air and lowering your heat helps you to have the whole spectrum,” Mark emphasises.

But this is about more than just caramelisation. During first crack, your beans will go through an exothermic reaction and release heat (energy) in the form of steam and carbon dioxide. Adding air helps to move that away, preventing smoky and bitter flavours. Mark recommends finishing the roast by keeping everything steady after first crack.

ローストディベロップをいかに早くするかを測定する上昇率(RoR)はナチュラルやハニーにとって重要になります。

RoRを低く保つためには、低いチャージ温度で始めるべきです。例えば標高の低いブラジルコーヒーは軟質であり、マークは高標高のウォッシュトのチャージ温度の30%低い温度で始めています。「ローストプロファイルにこめた、ローストを始める際のエネルギー量は、のちに行うことすべてを指示する」と彼は言っています

そこからマークはRoRを制御するには熱と空気の2つの側面があると説明しています。コーヒーのキャラメライズが始まった時、彼は時間を延ばすために熱を70%から40~50%に落とします。次に空気を加え対流を作ります。「対流もまたローストを遅くさせ、コーヒーの外側をローストさせる」と私に語っています。

コーヒーには800以上の芳香族化合物があり、はやすぎるキャラメライゼーションはこれらのいくつかをあいまいにしてしまいます。「より多くの空気を加えて熱を下げることはスペクトラムを保つことを助けてくれる」とマークは強調しています。

しかしこれは単なるキャラメライゼーションだけについてではありません。ファーストクラックの間、豆は発熱反応により二酸化炭素と蒸気から熱(エネルギー)を放出します。空気を加えることはそれらの輩出を助長し、スモーキーやビターフレーバーを防いでくれます。マークはファーストクラック以降はこれらすべてを安定に保ちローストを完了することを勧めています。

https://www.perfectdailygrind.com/2017/10/roaster-champions-guide-roasting-natural-honey-coffees/

まず高いチャージ温度で焙煎をしてしますと、全体の焙煎時間は短くなります。その分ディベロップメントにかける時間は少なくまります。内部まで火が通りやすい豆(高密度)であればそれでよいかもしれませんが、そうでない場合(低密度)は内部のディベロップメントがおろそかになってしまいます。

RoRのコントロールについて対流を起こすとあります。がその前に熱の種類について勉強しなおしましょう。

1.対流熱

 対流熱は高温の熱風がドラム内に送り込まれることによって豆に熱を与えます。高温の熱風は豆の表面を焦がさず、効率よく豆の芯まで熱を与えることができます。 

2.輻射熱

 輻射熱はドラムに一度吸収された熱が輻射されて豆に熱を与えます。輻射熱は豆の表面に大きく作用するので、熱量が強い場合は表面を焦がすことになります。

3.接触

 接触熱は熱せられたドラムに豆が接触して熱が伝わります。豆の表面に大きく作用し、ドr舞うが高温の場合には豆の表面を焦がしてしまいます。

(引用:小野善造(2016).珈琲焙煎の書.マドレーヌブックス.p37-38)

マークさんが言っていることは排気量を多くすることによって対流熱の割合を増やすということだと思われます。豆の内部までカロリーが入りづらい軟質な豆は、接触熱や輻射熱のカロリーが内部まで伝わりづらいため表面だけがローストされていってしまいます。しかし対流熱は表面を焦がす力が接触熱や輻射熱に比べて弱いため、対流熱を増やすことが軟質豆の内部まで均等にディベロップメントさせるのに役立ちます。(一昔前の焙煎指南でよくきいた「強火の遠火」っていうのは対流熱についてのことだったんですね。たぶん。)

  • プロセスは一要素

Mark reminds me that, even though processing is important, there’s much more to creating a roast profile. Take a Brazilian natural and an Ethiopian natural: despite the same processing method, they would probably need different roast styles.

Since the natural Ethiopian would probably have been grown at a higher altitude, Mark would expect it to be denser and have more concentrated sugars. He could use a higher charge temperature and faster RoR. But the Brazilian, which is probably softer, would require a lower charge temp and slower RoR.

It’s important to take into account all the distinctive elements of your coffee – the density, processing method, size, variety, flavour profile – as well as your customers’ tastes and your roastery’s specifics. Processing is just one piece of the puzzle.

マークは私に、精製プロセスが重要ではあるがローストプロファイルの作成にはさらに多くのものがあることを伝えています。ブラジル・ナチュラルとエチオピアナチュラルを取り上げ:同じプロセスにもかかわらず、異なるローストスタイルが必要になるでしょう。

おそらくエチオピアナチュラルは高い標高で栽培されているため、より高密度でありより濃縮された甘さを持っているはずとマークは予想します。より高いチャージ温度とより速いRoRを用いることができるでしょう。しかし、ブラジル・ナチュラルはおおよそ軟質です。低いチャージ温度と遅めのRoRを必要とします。

重要なことは、コーヒーの密度、プロセス、サイズ、品種、フレーバープロファイルなどのすべての特有な要素やお客様の嗜好や焙機の仕様を考慮することです。プロセスは一つのパズルピースにすぎません。

https://www.perfectdailygrind.com/2017/10/roaster-champions-guide-roasting-natural-honey-coffees/

最後にマークさんはほかにもたくさんの変数があるとのべて終えています。

  •  引用元

この本役に立つかは人それぞれですが、知識として読んでおくといいと思います。僕は非常に勉強になった本です。

www.perfectdailygrind.com